ポンコツ魔王~三泊四日で村を救え~
あざといと言われた。心外だ。俺はサキの顔を見つめ、あざといってどういうことだ、と訊ねる。
「あざといはあざといです、そのままの意味」
緑のツインテールを揺らし、真剣な表情で呟く。
ゴミ拾いも皿洗いも挨拶もする俺のどこがあざといっていうんだ。
「設定があざといんです、設定が!!」
「設定ってどういうことだ、俺は魔王だぞ!?」
彼女によると、良いことをする魔王という設定があざとい、ということらしい。設定というのは何を言っているのか分からないが、確かに文献によると魔王というものは世界を征服しようとするそうだ。彼女の言うことももっともだ。俺は襟を正し、魔王らしく少し悪事を働いてみるか、と思った。
「ちゃんと村を焼くんですよー」
うむ、と頷き、サキに手を振る。晴れていて気持ちが良かった。
「……道に迷って村人に助けてもらわなきゃいいけど」
「見ておれ、それを口にしたことを後悔するぞ」
「あ、今の魔王っぽいです」
城門をくぐり、静かに丘を下りる。少し歩くと、遠くに村が見えてきた。