外に出ると夜の匂いがした。少しぼうっとして立ち止まる。かたまりになって歩いている女子高生の、むき出しの太腿が目にとまった。
 今日のご飯は何にしよう。冷蔵庫に卵があっただろうかと考えながら歩き始める。夏ってまだこんなに明るいんだなとぼんやり思いながら駅に辿り着く。改札をくぐって帰りのホームに立つと、向こうにホテルが見えた。
 別れたい。
 ホームにすべり込んだ電車のドアが開く。ドアの横に立ち、窓におでこをくっつける。卵があったらオムライスにしよう。なかったらピラフ。窓の向こうは日が落ち始めている。きれいな夕焼け。すこし笑ってから、揺れる電車に身を預けた。