濃赤
ベランダに干した洗濯物が見える。畳に仰向けに寝そべり、大きく伸びをする。もう少ししたら取り込もう、と思い、顔だけ横に向ける。少し離れた位置に座る姉の足が目に入った。
「その色いいね」
足の爪から目を離さないまま、いいでしょ、と返事をする。爪にペディキュアを塗っている姉が好きだ。私と趣味は違うけれど、姉はセンスがいい。
「洗濯物入れといてね」
はいはい、と私は返事をする。今日は友達と遊ぶらしい。ペディキュアを塗るってことはサンダルを履くってことで、サンダルを履くってことは外を歩くってこと。じゃあ今日はユイちゃん達だろうか。
姉が立ち上がる。じゃあね、と階段を下りていく後ろ姿を眺め、私は仰向けの状態に戻る。
洗濯物、夕方でもいいか。私はそっと横を向き、頬で畳の感触を味わった。