羊水
許されたいと思うのは、罪悪感を抱いているからなのだと思う。水に半分浸かった自分の身体を眺め、私は小さく笑った。
夜のプールに通うようになって一年になる。最初は昼間に通っていた。少し泳いで帰ろうとして、ロッカーに貼ってある案内で夜にもプールが開いていることを知った。それで夜に来るようになった。
夜は人が少ない。黙々と泳いでいる若い人が多い。きっと昼間には来れない人達なんだろうなと思う。端っこのコースでなんとなく浮かびながら人を眺める。水の音が室内に反響して、ここに居ても居なくてもどっちでもいいんだ、という気持ちになる。
許されたい、と口に出したことはない。一度言ってしまえばその感情が本物になる気がする。そうしたら罪悪感の正体を目の当たりにしなければならなくなるし、理由について考えなければならなくなる。
深く息を吐き、両手で水をすくってみる。今日はプールが閉まるまで居たい、と思う。