週末だけ会う男女の話
うっすら寒くなった気がしてそっと目を開ける。助手席の窓が開いていた。それに雪が積もっている。雪が積もってる、と口に出すと、そうだね、とあなたが口を開いた。
東京は初雪、と天気予報が耳に届く。音量を下げて車内に混ざった冬の匂いを確かめる。寒かったら閉めようかと呟くあなたの声。冬は空気が澄んでいる、と私は思う。
「ちゃんと録画してくれてるといいんだけど」
「心配?」
ううん、本当はどっちでもいい、と外を眺めながらささやく。並んだ薄青いビルから目線を外し、あなたの左腿に手のひらを乗せる。車がゆっくり右に曲がり、私は助手席の窓を閉めた。