局長×アイン
カーテンの隙間から光が射している。そっと下着を身に付け、私は仰向けに寝そべっている彼女を眺める。半身を起こした私を見て、起きたの、と感情の読み取れない声で呟いた。
ああ、と小さく返事をする。ちらりと彼女の左肩のあたりを盗み見ると、彼女は息をもらすようにして笑った。
「まだ気になるようね」
きまり悪くなり私は目を伏せる。彼女の左手を触っていて、ゆうべどうしても悲しくなってしまい、もう身を挺してほしくない、と泣いたのだった。
「君もあんな風に泣くのね」
「……忘れてほしい」
シーツを胸までたくし上げ、無造作に四肢を投げ出している彼女を眺める。皮膚が引っ張られているのか左の肋骨が浮かんで見えた。アインの視線を感じ、あわてて目を逸らす。
「……服を着てくれ」
「取ってちょうだい」
恥じらう様子のない彼女に閉口して、私はベッドの掛布をまさぐる。黒の下着を探し出して彼女に放った。難なく左手で受け取り、ようやく半身を起こして下着を着ける。白い脇腹を眺めていると、彼女がかすかに笑う気配を感じた。
「きみは意外と若い」
いやその、ともごもご言って顔を伏せる。左頬にそっと触れる体温を感じ、顔を上げると額に唇がおしあてられた。
無言で顔を離し、彼女はベッドからゆっくり下りる。自分で衣類を探す後ろ姿はもう普段の彼女だった。私はまた泣きたくなる。どうしてもっと早く彼女を見つけ出さなかったのか。白衣に袖を通す彼女を見つめながら、ぎゅっと自分の両手を握った。