ゴリラ(マゾ)とツンデレ(貧乳)

「左馬刻は小官のどこを好きなんだ」
思わず理鶯の顔を見る。いつもの通り真剣な表情だったのでややうんざりした。存在、と短く返事をすると、ふふ、と満足げに笑う。嬉しそうな表情に、不穏な何かが揺らめくのがわかった。
「……と、このスケベな胸」
正面から、右手のひらで彼の胸を掴む。服の上から先端を探し当てると、彼の頬がわずかに赤らんだ。
「硬くなんの早えよ、こんなでかいやつが敏感とかマジのやつだろ」
「……それは貴殿が触るからだ」
「あ? 最初からだったろ? 俺のせいにすんな」
黙り込んで顔を伏せた理鶯を眺め、満足して少し笑う。硬くなった先端をぎゅっと引っ張り、何かを我慢している彼を見ながら声をかける。
「おまけにとんでもねえマゾなんだわ、おい銃兎、どう思う」
「怖いと思う」

「理鶯は俺様のどこが好きなんだよ」
静かに呟いた左馬刻を見つめる。これはどんな返答をしても彼が不機嫌になる質問だと思った。空気が張りつめた気がして、慎重に口を開く。
「……細い腰」
彼は返事をしなかった。
「白い肌、強くて優しいところ、好きなことを好きだと言えないところ」
彼の目元がさっと赤らむ。愛おしさがじわりと滲み、思わず左馬刻の額のあたりを撫でた。
「それなのに、小官の気持ちを知っていながら、わざと他の男の話をする時がある」
「……は? テメエの弱さを人のせいにすんな」
「……それは貴殿にだけは言われたくない」
彼の瞳に怒りが灯る。立ち上がり、ケンカ売ってんのか、と胸ぐらを掴んだ。事実だ、と返事をして、銃兎をちらりと窺う。
「銃兎、どちらが謝るべきだと思う」
「俺に謝れ」

 


 

いつもごめんね入間さん